ギックリ腰

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ギックリ腰(急性腰痛)

ギックリ腰とは病名ではなく急激に起こる鋭い痛みを伴う腰痛の総称名です。よって原因は様々で治療や対策も異なります。ギックリ腰の原因とそれを引き起こす腰痛の種類、対策を少し説明しましょう。

ギックリ腰や腰痛症を引き起こす腰痛の種類
【腰椎捻挫、筋筋膜性腰痛】
一般にぎっくり腰と呼ばれているが急性の腰痛症の中では最も多いと思われる症状です。関節周囲の多裂筋や回旋筋郡の損傷が多く見受けられます。


【腰椎椎間関節症】
腰の反り過ぎによる関節包や関節軟骨からの痛み。腰周囲の疲労が蓄積し過剰な腰の反り過ぎで関節面が閉じてしまい腰痛を引き起こします。また妊娠中にも起こりやすい腰痛の一つです。


【腰椎椎間板ヘルニア】
坐骨神経痛など神経症状を伴う腰痛症の中では最も多い症状です。25才を過ぎると年齢とともに椎間板の水分が抜けてくるため30代以降の椎間板ヘルニアは少なくなると言われています。
しかしながら若年期以降に繊維輪の半分以上に亀裂が入りながら、何とか無症状で中年、老年期に至り何かの弾みでいきなり発症する場合もあります。また老化に伴い椎間板の高さが減少した場合、わずかな椎間板の膨隆でも神経に影響を与えます。


【骨盤の仙腸関節捻挫】
骨盤と仙骨で構成する仙腸関節の捻挫は女性に多い症状です。仙腸関節を繋ぐ前仙腸靭帯、後仙靭帯が長時間のデスクワ−クやスポーツによる急な回旋動作などで骨盤関節の弛みや捻挫を引き起こします。
女性は出産後に骨盤が広がるため仙腸関節痛が多く、また生理前後は女性ホルモンの影響で骨盤関節の靭帯が弛むため腰痛や臀部周囲の痛みがおこりやすくなります。


【脊椎分離症】

脊柱を構成している後部構造(峡部)の欠損により後部構造(椎間関節、椎弓の一部)と椎体を含む前部構造(椎体、椎間板、椎弓根
)が分離したものを脊椎分離症(腰椎5番に多い)とよびます。

成長期における脊柱後部に対する強い衝撃やくり返しストレスが加わった結果、骨の融合が成されずに起こるといわれている。軟骨が間に挟まった状態やその他の軟部組織が挟まった状態。あるいは離れてしまったまま間に何もない状態となる事もあります。

分離症は必ずしも椎体の前後移動(すべり症)を伴うとはかぎりません。また思春期に椎骨に対して過度な回旋。伸展が加わった結果(野球、テニス、体操、水泳[バタフライに多い]など疲労骨折を起こし分離症となる事もあります。


【脊柱管狭窄症】

脊柱管が狭くなる事により脊髄神経が圧迫され神経根症状あるいは神経症状がでるものを脊柱管狭窄症といいます。
脊柱管の中には硬膜間が入っていますが、脊柱管の前部には後従靭帯、後部には黄靭帯が位置し側面からは椎間関節が囲んでいます。

加齢により椎間板の水分が抜けその結果、椎骨の安定に関与している靭帯に弛みを生じ、これを止めようとして石灰の沈着が起こります。これが大きくなると骨棘とよばれます。そしてこの骨棘が脊柱管の中に入り硬膜管を刺激するものを脊柱管狭窄症と呼びます。また硬膜管の刺激は黄靭帯の肥厚によっても起こります。


ギックリ腰、急性腰痛の対策
1. まずは強い炎症が起こっている状態ですので横向きになって2日ほどの安静がベストでしょう。ぎっくり腰を起こしてからの2日程はアイシング(氷嚢などを使い冷やす)、症状により温めると悪化してしまうこともあります。
2. 2、3日たって動ける程度まで回復すれば治療を始めましょう。症状により治療は異なりますので。腰痛の症状に合わせた調整を行うことが大切です。
3. 数日休んでも起き上がれない、強い神経症状を伴っている場合は”整形外科での受診”が必要です。また急性期はコルセットの着用を行いましょう。

大事な事はどの様な原因により腰の痛みや神経痛が起こっているかです。確実な症状の鑑別診断と治療、症状に合わせた予防、アフタ−ケアを行えばいずれの症状も心配はありません。


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